前回は、トラックにはねられて目が覚めたら病院だったところまで。
今回は交通事故直後の処置の話です。
お医者さん登場
「大丈夫ー?この指何本かわかる?」
2本。ちゃんと見えました。頭はグヮングヮンしてましたけど。
「名前は言える?」
「はひ…○○○○れふ…」
「あー唇と歯が結構やられちゃってるね…。頭は…この右目の上がちょっと怪しいな…」
「吐き気とかはない?」
「はひ…」
と言った瞬間。
突然、ものすごく喉の奥からゴボっと何かが上がってきて
「あららら、ちょっとタライちょうだい」
少し体を起こして、看護師さんのくれたタライに顔を下げると、結構な量の血を吐きました。
「たぶん、大量に出た鼻血がたまったんだね」
体を起こしたこともあり、頭がグラグラ…。
「では少し休んでてね。何かあったら呼んでください」
警察が来る
いつの間にか部屋の中には警察の人たちがいました。
「名前と生年月日言える?」
(また同じこと答えるのかよ…)
「はひ…○○○○れす…」
「生年月日は?」
「○○れん○らつ○りち…」
「え?なんやって?」
「らから…○○れん○らつ○りちれふ…」
「なに言っとるかちっともわからんわ…」
( ̄▽ ̄)
くっそムカついた
(口が閉じれなくて上手くしゃべれーねんだよ…!)
(てか、お医者さんも今は上手く話せないこと伝えてくれよ!)
仕事の帰り?保険会社に連絡は?人身事故にします?
立て続けに聞いてくるけど、まだ何もやってねーっつーの。
見ればわかるだろ!
あんたらにとっちゃ日常茶飯事なんだろうけど、もう少し親身になったフリできないの?
そんなんだから市民から好かれないんだよ。
・・・
「じゃあとりあえず確認事項は取れましたので、今日はこれで。少し落ち着いたら警察まで連絡ください」
警察の人たちが帰ると、今度はお医者さんが
「では奥さん、これから処置を行いますのでしばらく外に出てもらえますか?」
処置開始
処置…
一体、どんな処置をするんだろう。
もうこれだけグチャグチャだと歯は全部抜かれたり、唇も切り離しちゃうのかな…?
数分後の自分がどうなるのかさっぱり分からず、ものすごく怖かったことを覚えています。
「じゃあ…まずは裂けちゃった口縫おうか」
はひ…
「じゃー麻酔打つよ。12本打つから痛いけどガマンしてね」
12本!?
「ちょっとー両方から抑えて。はい、いくよー」
看護師さん二人が両方から肩と腕を抑えると…
●※▽★□…ッッッ!!
その注射…。
悶絶するほど痛かった…!
痛すぎて涙がボロボロ出ました。
6本目くらいでギブアップ寸前。
「ちょ…もう無理れふ…」
「あと少しだから!がんばって!」
まじでもうやめてくれ〜
でもまあ、そのおかげなのか唇を縫ってもらう間は、
ズブ…ズズズズ…ズブ…ズズズズ…という
針が刺さる感覚と、糸が皮膚の中を滑っていく嫌な感覚程度で済んだんですけど。
あの麻酔は痛かった…。
つづいて歯の処置。
これは正直、未だにどういうことをしたのか今でもよく分からないんだけど、歯茎に沿って、硬ったい針金の棒みたいなのを取り付けられました。
この針金の棒の端がきれいに丸く処理をされていない (=ハサミでばつんと切り落としたままの状態?)なもんで、こいつのせいで口の中が切れる切れる。
もうちょいバリ取りしてくれ!そのくらいプラモデルでもやるぞ!
そんなこんなで処置は1時間ほどで終了。
「じゃあ今日できるのはここまでかな。今日はこれで帰ってもらっていいので、また明日の朝イチで来てください」
へ?帰るの?今日?…帰れる状況かコレ?
これは妻も同じことを思ったそうです。
でも正直、僕は帰れるなら何としても帰りたかった。
というのも、事故の連絡を受けた妻は、子供を隣の家に預けて来ました。
娘はまだ生まれて2年ちょい。
保育園以外で親から離れたことなんて無くて、
しかもこんな遅くに一人でヨソに預けられて、きっと不安でいっぱいだったと思います。
人の家の玄関から妻の車を見送った娘の気持ちを思うと、とにかく娘に早く会いたかったのです。
次回につづく
体が動かせず、真横の姿勢が辛い時、このクッションおすすめです。 (実体験)