こんばんは~。
今年一番の、いや人生で一番の嬉しい日でした。
妻の妊娠が分かったのが今年の1月の終わり。
一応「安定期」とされる時期になって書いた記事がコレ↓
9月26日 AM9:30
臨月に入ってからは毎週、定期検診があります。
この日は39週目の診察でした。
男は基本、診察室に入れないので、いつもエコー検査の映像を見せてもらうほんの数分だけオジャマします。
今月はすでに4回目だし、1週間で何かが変わるわけでもないので、サラッと見て「はい、じゃー旦那様は外でお待ちください」と言われるものばかりだと思っていました。
「ありがとーございましたー」
診察室の外に出ようとする僕に
「…あ、ご主人様だけ残ってください」
「…え?」
「奥様はこちらへ…」
看護師に連れられて出ていく妻。
明らかに不安そうな顔でした。
「奥様は羊水過少症になっています」
このままだとお腹の中でへその緒が圧迫され、血液や酸素が上手く届かなくなり、最悪の場合、胎児機能不全や障がいが出る可能性があります。
このまま今から入院してもらいまして、明日の朝にもう一度診察をしますのでそれまでに陣痛が来なければ陣痛促進剤を投与します。
なお、この薬には副作用として下痢や嘔吐、頭痛や目まいなどが起こりますのでこちらの書類に署名していただき…。
一気に暗雲が立ち込めました。
先週までそんなこと一言も言われなかったのに…。
機能不全…?
障がい…?
薬の副作用…?
PM7:00
僕は仕事中だったため、お昼で一度病院を後にして、泊まり込みの準備を済ませて再び病院へ。
いきなり「明日までに陣痛が来なかったら薬」なんて言われて、そう都合よく来るかよ…。
内心はそんなことを思っていました。
切迫流産から始まり、もうここまでにも散々がんばったんだぞ。
なんでこのタイミングでまたツライ思いをさせるんだ…。
PM8:00
「なんか…いつもよりお腹痛いかも…」
看護師さんを呼び、診てもらうも子宮口は1cm。
※先週の定期検診の時点ですでに1cmは開いていました。
「でも痛みの感覚が定期的になってきてるから、もしかたら今夜かもね」
看護師さんの言葉を信じて待ちました。
PM9:00
再び子宮口のチェック。
「うん、さっきより少し開いてきてる。お産が始まったら長丁場になるから、今は少しでも寝て体力を温存して」
なんとー!
とはいえ、羊水が少ないことには変わりはないんだし、まだまだ安心できる時点ではありません。
頼むぞ~、がんばれ~。
AM0:00
次第に痛みが強くなり、診察してもらった結果は子宮口3cm。
肩を貸して、フラフラした足取りのまま分娩室へと移動。
分娩台に上がってからは、ひたすら陣痛が来るのを待ちます。
「もう十分痛いんやけど…」
「大丈夫、本陣痛ならそんな風にしゃべる余裕もないくらいの痛みだから」
がんばれがんばれ…!
AM3:00
なんと子宮口は5cmにまで開いていました。
看護師さんは「すごいね!これなら予定よりも多少早く出て来るかも」。
「それって大体でどれくらいの時間ですか?」
「う~ん、お昼前くらいかな~」
お昼前…
まだ9時間もあるんですけど…。
AM4:00
6cm。ちょっとペースダウン?
「なんで…?開いてよ~痛いよ~」
「もうちょっともうちょっと!あと1時間もすれば空も明るくなってくるぞ」
(↑「ちゃんとゴールは近付いてるよ!」って意味だったんだけど、今思うと全然励ましになってないな)
AM5:00
開きは変わらず。
陣痛の間隔が短くなれば子宮口も開いてくるそうなのですが、1回痛みが来て次の波まで10分くらいかかるため、なかなか開いてくれなかったそうです。
「もう30分もすればいつも目覚ましが鳴る時間だよ。」
「長い人生の中のたった数時間だ。」
「痛いってことは一歩ずつ進んでるってことだよ。」
とにかく「前進している」と励まします。
でも当の本人にしたら(うるさい!キレイ事言うな!黙ってろ…!)だったことでしょう。
痛い時ってそういうものだよね。
AM6:00
それでも変わらず。
「もう…頑張れない…つらい…」
それまではウーン、ウーンという感じに痛みに耐えていたのが、このあたりから悲鳴にも似たものになってきました。
「ちょっとトイレ行きたい…」
「それは赤ちゃんが下がってきてるからだよ!良い傾向なのよ!」
そうなんだ…。
そういえば僕は中学生くらいの頃まで、赤ん坊は肛門から生まれてくると思っていました。
(…赤ちゃんて出てくる時にウ●コついてるんかな…かわいそうに…)
↑本気で思ってました。
AM7:00
子宮口は変わらず。
「どうして…?なんで出てきてくれないの?もうムリ…」
先の見えない激痛の連続で、見ているのがツラかったです。
助産師さんは子宮口の確認をし、開いていなければまた分娩室を出ていってしまいます。
子宮口のチェックも1時間置きなので、つまりここで進展がなければ再び1時間の地獄が待っているのです。
この数時間はホントにつらかった…。
AM7:30
あまりにも痛みが強く、30分で再診。
8.5cmになっていました。
「破水したらもっと進むんだけどね…まだ人工的に破水させていい状態じゃないの…もうちょっとがんばって」
「こんなに頑張ってるのに…もう切っていいから出して欲しい…」
「だれか助けて…」
声はほぼ絶叫。
数分に一回、意識が飛びかけているのが分かりました。
もう目の焦点が合ってなかったもの。
AM8:15
ようやく破水。
子宮口も10cm、全開になりました。
ここから助産師さんに側についてもらい「いきみ」という押し出す工程に移ります。
陣痛の波が来たタイミングに合わせ、
大きく深呼吸し、吸ってから息を止め、ウ●チを押し出すように踏ん張ります。
はじめは「いきむ時は息を止めないで!」とか「まだだよ!もう一回呼吸してから!」と
ダメ出しされまくっていた妻でしたが、途中からコツをつかんできたのか
「上手い上手い!すごく効いてる!」
「上手いってよ!がんばれがんばれ」
妻、後日談↓
「アレ絶対全員に言ってるよ」
AM8:30
院長先生が入室。
妻の肩のそばにいる僕の位置からはどうなっているのか見えなかったのですが、
「よーし、じゃあ仰向けになろうか」
でも、この仰向けになるのもめちゃめちゃ痛いらしく、顔はもうクシャクシャのぐちょぐちょでした。
これがもう可哀相で可哀相で…。
「この痛みがお母さんを強くするの。最後のひと踏ん張りだからね!」
「同じだけ赤ちゃんも苦しいのよ!がんばって!」
あとで本人も言ってましたが、赤ちゃん以外にも色々出たそうです。
でもそれでいいんだって。
それが普通。何もおかしなことじゃない。
それくらい大変な作業なんですよね。
AM8:45
「もう頭が見えています。あと数回いきんだらこちらでフォローして引っ張り出します」
「痛いな…痛いよな…頑張れ…頑張れ…!」
仰向けになってからは腰をさすってあげることも出来ません。
AM8:50
「上手いよ!これなら自力で出せるよ!」
「顔を起こして観てごらん!赤ちゃんのアタマ見えてるよ!」
看護師さんに頭を持ち上げられる妻。
でもお腹で何も見えなかったらしいし、意識がもうろうとしていて、皆に言われてる言葉も聞き取れなかったそうです。
AM8:56
無事、大きな産声をあげ
3086gの女の子が産まれました〜(^^)
「おめでとう~!元気な女の子ですよ!」
(生まれた…ちゃんと生まれた…!)
「聞こえる?元気に泣いてるよ。おれらの子だよ。生まれたよ。生まれたんだよ。」
でも、妻はほとんど失神状態。
目の前に赤ちゃんが来てもボンヤリと天井を見ていました。
「では体を拭いたり後片づけをしますので旦那さんは外へ…」
感動の余韻に浸る余裕もなく、シッシッと外に追い出されるオイラ。
・・・
15分後。
呼ばれた僕は分娩室に入ると、横たわり布団をかけてもらった妻の脇には赤ちゃんがいて、おっぱいを咥えていました。
僕が、心のどこかで望んで望んで、でも心のどこかで諦めて。
幸せの形はここだけじゃないから、と見ないように、言わないように意識して。
だけどやっぱり、ずっとずっと願って止まなかった光景。
目があった瞬間。
二人して堰を切ったように涙が出てきて、
震える声で「おつかれさま」「ありがとう」と言葉を交わしました。
生後15分でお地蔵さんのような風格でした(^_^;)
ああ、僕らは父ちゃん、母ちゃんになったんだ。
きっとなれないと思っていた「親」というものに。
ずっと不安でした
妻の職場の方から柴犬柄のおくるみ?を頂きました(゚∀゚)
赤ちゃんが生まれてくること。
それはそれは楽しみでした。
でも、それ以上に妻が心配でした。
お世辞にも、心も体も強くない妻。
(病気がち、ということではなく、なにかと弱っちい心身ということです( ̄∀ ̄))
僕は自分のことを結構なダメ男であることを自覚していますが、その僕から見ても妻は結構なヘッポコ(笑)
そんな彼女が、無事、立派な偉業をやり遂げてくれました。
こんなにも彼女のことを、そして彼女の夫であることを、誇らしく思ったことはありません。
本当にありがとう。
そしてお疲れ様。
二人のことは、雨が降ろうと槍が降ろうと、僕がこれから一生をかけて守る。
なんでもやるぞ!
どんどん頼ってくれぃ!(^^)
ちっちゃな足。カワイイなー
・・・
思いが溢れすぎて5000文字超のダラダラ文になってしまいました。
最後までお付き合いありがとうございました!