なんだか少し寒くなってきたので、移住した年のキンキン冬話。

僕は2005年の夏、岐阜県高山市の端っこにある「清見町」に移住しました。
高山市は市街地で標高500mくらいなんですけど、移住先は清見町の中でも端っこの高い山の上。
標高800mとか900mとか、そんな場所でした。
ちなみに自分が生まれ育った千葉県では、南房総市にある「愛宕山(あたごやま)」が一番高く、標高400mだそう。
海抜ゼロm育ちの自分にとって、標高800mの夏はとにかく快適。
ベタつく海風と違い、澄んだ水面をわたる風は乾いた冷気をまとい、とにかく爽やか。
住んだ家にはエアコンなんて必要無く、それどころか窓を開けて寝たら朝にはちょっと寒いくらいでした。

しかし。
世の中そう上手くは出来ていません。

夏が涼しいってことは
冬がヤバいのです。

さ、寒すぎる…🥶

写真は綺麗でしょ。
でも雪と氷はその鋭い爪を、僕の生活に静かに突き立てたのでした。
しかも移住した2005年の冬は、1981年(=昭和56年)の「五六豪雪(ゴーロクごうせつ)以来の寒波」だったそうで、なんと最低気温はマイナス20度。
ここまで気温が下がると空気中の水分が凍って、「ダイヤモンドダスト」という現象が起こります。

これまた美しい景色だけど、もう肌が痛くて痛くて…衝動的に移住したことを悔やむ日もありましたとさ。
さて問題。
本当に寒い日の天気、ってどんな感じでしょ。
ヒュオォォ〜っと吹き荒ぶ暴風雪の夜?
それとも、何もかもを白一色に染め上げるドカ雪の日?

正解は、雲ひとつない晴れ渡った明け方の朝。
こういう日には「放射冷却現象」が起き、地表の熱が全部空へと抜けていき、めっちゃくちゃ冷えるのです。
家の中でも寒い
こうなると、もう家の中でも寒い…。
一応、石油ファンヒーターと石油ストーブの二台体制で最初の冬に挑んだので、家の中で凍死することはなかったけど、この手の暖房は付けっぱなしは絶対ダメ。
一酸化炭素中毒の危険があるため、寝る時には切るのが鉄則なんです。
先代ワンコのあまごは、毎晩、僕の布団の中でした。

布団の中で幅を取って邪魔だったけど、あったかかったなぁ…。
・・・
そんなある日、ご近所さんの方が言いました。
「水道は止めるなよ」

「動いてる水は凍らない。でも止まってる水はマイナス5度くらいから簡単に凍る。だから水道は一晩中、チョロチョロと出しておくんだぞ。」
水道代がもったいない…って思うでしょ?
でも水道凍結→水道管破裂で5万円コース。
破裂はせず凍結だけで済んだとしても、水道屋に来てもらって溶かすだけでも2万コース。
(町からこの集落まで車で40分、その出張料がかかる)
それを思えば、水道代が数千円増えても止めるべきではないってわけ。
でも凍った

水道の蛇口も凍ったし、浴槽の残り湯も凍ってました。
水は出していたんですよ。
言われた通り、エンピツ2〜3本の太さで。
でも凍った…!
はい、2万コースに突入です。
手取り12万とかの生活で2万の出費。
いくらなんでもハードモードすぎるでしょ…
😱😱😱
絶対に!石油ストーブは常備すべし

さて、永遠に続けてしまいそうなのでこのへんで終わります。
で、最後に経験したから言います。
今後は全世帯。
必ず石油ストーブを常備しておくべし。
この先、なにか災害が起きて、インフラが止まるレベルのものだったとしたら、水や非常食と同じくらい「石油ストーブ」はマストです。
オール電化だから?全館床暖房だから?
そんなものはすべて大規模停電、一発でおしまい。
そんな時に暖を取るには、おそらくこの石油ストーブより頼りになるものはないです。
電源がなくても使える。
明かりにもなる。
天面でお湯も沸かせる。煮炊きもできる。
しかも導入コストも安い。
絶対の絶対で、石油ストーブとポリタンクは確保しておくべきです。
今、「そんな大災害、そうそう起こらないよ」って思ったでしょ。
近年、温暖化の影響と並行して、突発的な「超ドカ雪」が起こるケースが増えています。
東海/東南海/南海大地震のような災害でなくても、インフラが止まってしまうような災害はどんどん増加傾向にあります。
たとえば2014年、山梨県は甲府市。
たった一晩で114cmというとんでもない積雪量を記録しました。
あの降雪量だともう本当に打つ手ナシ。
30分で車が全部埋まり、除雪車すら出て行けないんですから。
あれがもし数日続いていたら、きっと雪の重みで電線も断線したでしょうし、
雪かきしようにも、かいた雪を捨てる場所もなくなり、お手上げ確定です。
そんなことがどんどん起きやすくなっているのです。
台風でもインフラ止まります。
地盤が落ちたらインフラ止まります。
何かあってからでは遅いです。
人は、必要になると一気に買い集めに走り、途端に欠品を起こします。
石油ストーブとポリタンクとシュポシュポ(あれ名前なんていうの?)
今年の冬が来るまでに揃えておきましょうね。


