漂流の記録2 ダメ男、一瞬で魅了される

前回の続きです。

 

飛騨への初上陸

 

 

2005年の7月でした。

友人からのお誘いは二つ返事で快諾。

しかし頭の悪い僕は

「ヒダってどこだ?ああギフか?んでギフってどこだ?」

でも友人の「新宿のバスターミナルから高山まで高速バス1本で行けるよ」という話を信じ、大して調べもせずバスに乗車。

 

なになに、到着は6時間後?!

6時間もかかるの?!

 

遠っ!!

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この年の3月にフィリピンに行ってたんですけど、

その時の成田空港からの所要時間が4時間だったので…海外に行くよりもまだ遠い。

 

それでも中央道を走るバスから見える山並みは夏一色。

窓の向こうからは都会とは一味違う蝉しぐれ。

(後ろの席の人に「窓閉めろ」と言われてガッデムでした)

 

真っ青な空にのしかかるような入道雲。

期待は高まります。ドキドキ。

 

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(ー6時間後)

 

 

な、長かった~…。

イスに座ってるだけでこんなにも疲れるなんて知りませんでした。

 

時刻は夜の8時。

高山駅前に降り立ったはずなのですが、

どうやらこの町はもうすでに眠っている模様。

 

 

 

高山駅から更に車で小一時間

 

今回お誘いをくれた友人が車で迎えに来てくれて、いざ出発。

 

15分もしない内にあたりからは明かりがなくなり山道へ。

 

道には車通りもありません。

 

見えるはヘッドライトに照らされた範囲だけの道路と

フロントガラスにびしびし当たる虫たち。。

 

途中、道路にカモシカがいて、道をふさいでいました。

クラクションを鳴らすと森に消えていくカモシカ。

 

減っていく僕の口数…(笑)

 

車を走らせること40分。

 

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すでに夜も遅いこともあり、到着した集落には、

点在する家々の明かり以外、光らしい光はほとんどありませんでした。

 

が、クルマのドアを開けて最初に目に飛び込んできたのは驚異的なまでの満天の星空

 

山間の集落なので、見上げた視界の両端は山の稜線で真っ黒なのですが、

その黒い塊の間には、寸分の隙間なく散らばる星々

 

すごいんです。

すきまがないんです。

 

この集落は川に沿うように家が点在していて、

どこにいてもサラサラと水のせせらぎが聞こえていました。

 

時々吹く風は、月明かりに浮かぶ稲穂を揺らし、

水音と相まって、ぶるっとくるほど心地よい響き。

 

ここは観光地でもなんでもなく、

ただそこに暮らす人たちが当たり前に生活を営んでいる、

それだけの小さな集落。

 

 そんなところなのに、この絵画のような美しさは何!?

これは現実?

それともバーチャルなのかしら?

 

ガラリ。

 

現れたのは近くのバーチャンでした。

(↑今回の最大のヤマ場)

  

つづく