ニュー・シネマ・パラダイスに感動しました(´;ω;`)

こんばんは!

皆さんの地域では雪の具合はどうでしょうか?

週末のセンター試験、受験生の子たちに大きな影響が出ない事を願うばかりです…。

今日は、不朽の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」をたまたま観たのでそのお話です。

ニュー・シネマ・パラダイス

実は初めて観ます。

1988年のイタリアの作品です。

監督は巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ。

お恥ずかしながらこの監督の作品は「海の上のピアニスト」くらいしか観ておりません。

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また、同作品はタイトルも有名ですが、劇中に用いられている音楽も超有名。

「映画音楽家」エンニオ・モリコーネ作曲。

その後、CMやドラマなど様々な形で使われています。

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僕と同じように、この作品の内容を知らずとも、このBGMだけは誰もが知っていることでしょう。

不思議と郷愁のこみあげてくる、優しく温かいメロディーです。

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作品の公開当時、僕は7歳。

主人公の男の子サルヴァトーレ(愛称トト)も7歳という設定だそうです。

オトナになってしまった今の僕は、劇中のトトを見ていて、あの頃の自分に思いを馳せました。

昔は楽しかったなぁ…。

(今も楽しいですけどね(^^))

あらすじ

舞台は第二次世界大戦中のシチリア島。

トト達の住む小さな村には娯楽が少なく、たったひとつだけ「映画館」がありました。

ただしその建物は村の教会でもあって、上映する映画の内容は神父さんが一度確認し、刺激の強いシーンは全てカットされてから公開、というものでした。


トトは、映画と、その技師であるアルフレッドに夢中です。

スクリーンの向こうに見える「外の世界」の華やかさと、映画という文化そのものへの憧れ。

はじめはトトのことを鬱陶しく思っていたアルフレッドもいつしか打ち解け、フィルムの扱い方や機械の操作を教えてあげ、次第に心の交流を重ねていきます。

そんなトトの成長、そしてアルフレッドの親心にも似た愛情。

そういったこととはお構いなしに激変していく時代の流れ。

観る人の琴線に触れる情感たっぷりのストーリーです。


心を打つ「人の思い」

「表には出さない愛情の形」というものがありますよね。

大切だからこそ厳しく接して、愛しているからこそ冷たく当たる。

それは、その人のことを思えばこその行動だったりします。

この作品にはそんな要素が詰まっています。

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余談なのですが、僕は、時代背景が戦争中の映画が結構好きです。

それは、ゼロ戦に乗って二度と帰らぬ出撃に赴く青年の気持ちであったり、

出兵することでこの見送りが今生の別れであったり。

悲しくて寂しくて、本当なら声を上げて泣き喚いてしまいたいくらいの気持ちを押し殺して、

「国のため、家族のため」と自分に言い聞かせて旅立つ姿に胸を打たれます。


今の僕よりもずっと若い子たちが、そんな思いを内に秘めたまま、

言いたいことも言えずに時代の潮流に消えていく。

そういった部分があるからこそ美談としての華があるのかもしれませんが、

現実の世の中においても、そういうことってありますよね。


悲しいけど笑顔。

つらいのに元気なフリ。


人は、大切なものがあると本当に強くて優しい生き物です。

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そしてこのトルナトーレ監督。

この作品を撮ったのは若干33歳の時なんだって。

今の自分よりもまだ年下です。

すごいなぁ。


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「映画」というものを本当に愛しておられる監督さんなのだそうです。

映画とは人が作った、いわば架空のものですが、その裏には人と人が交差することで起こるドラマがあってこそ。

「真実は小説より奇なり」なんて言葉もあるくらいで、「映画」という媒介を通じて、人の本質的な優しさや美徳のようなものを表現したかった...のかな?

すいません。

大して映画を見ているわけでもないのに、偉そうなこと言ってしまいました。


ラストシーンに涙

※ネタバレ要素がありますので、未見の方、知りたくない方はここで終わり!

読んでいただきありがとうございます。

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冒頭で、アルフレッドが神父さんに指摘されてカットしたフィルムがあります。

それらは映写室の隅の箱で山になっていました。

トトは「それ、捨てるなら僕にちょうだい」とねだるシーンがあります。


それから長い月日が流れ、アルフレッドの葬儀に参列するため、郷里に帰ってきたトト。

ラストシーンでは、トトが映画館のシートに座り、映像が流れてきます。

それはアルフレッドがカットしたフィルムを繋ぎ合わせたものでした。

トトはそれを見ながら涙します。


当時、アルフレッドは仕事だからそれを行っていただけで、別にトトの為にやっていたわけでもありません。

でもトトにしたら、元気だった頃のアルフレッドが脳裏に浮かび、楽しかった幼き日々がよぎったことでしょう。

そして日本人の僕らにはあまり馴染みがないですが、キスとはとても大切な愛情表現です。

絶え間なく流れるキスシーンは、アルフレッドからの親愛の結晶のように思えたのではないでしょうか。



・・・

とても良い映画でした。

この映画の中に限らず、相手のことを思い、その人の為に何かをしてあげること、してあげたいと思うこと。

それはとても素敵な人間の感情です。


腹の立つこと、嫌になること。

思うようにいかないこと。

誰かを憎み、疎んでしまうこと。

そんなものは世の中に溢れていますが、

もし自分が負の気持ちに支配されそうな時は、

ちょっとだけ今の状況を引いて、「俯瞰」でモノを見てみましょう。

だって、もしかしたら今この瞬間も、誰かが自分のことを考えてくれているのかもしれません。

悩み、もがいているのは自分だけではないし、誰かが助けてくれているからこの程度で済んでいるのかもしれません。


そう思えたら、胸の奥のモヤモヤも少しだけ和らぐのではないでしょうか。

そんなわけで、とてもおすすめの一本です。