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◆田舎で生活10年目!◆

もう僕が都会で生きていくことはムリだと思います。

玄関の向こうの話

雑記 文字だけ日記

こんばんは~。

今日は携帯電話からの更新なので、久しぶりの「文字だけ日記」です。


僕がこの飛騨に来て最初に住んだ集落。

そこでの出来事です。

玄関の向こうの話①


飛騨に来て、そしてあまごを飼い始めて、最初の冬。

人口100人ほどの小さな集落。

隣の家までは歩いて5分くらいかかります。



窓の向こうは大雪。

音もなく降り続いていました。



この年は昭和56年(僕の生まれた年)以来の大雪だったそうで、

「音もなく」というよりは、あまりにたくさんの雪が降っていて、

近くを流れる川の音も、時々通る車の音も、

すべてが吸い込まれて消えてしまうようでした。



そんなある時。


どこか遠くで


キャーッ


という声がしました。



はじめは、気のせいかなと思いました。

でもそのあと、もう一度。



キャーッ!


と、確かに聞こえたのでした。



(な、なななな、何なんだ…!!!)


・・・


誰もが息をひそめる冬の雪山の夜です。


外から声がするだけでも怖いのに…。



あまごも耳を立て、窓の向こうの闇に目を向けます。



おそるおそる窓を開けて、あたりを見回しました。



でも、誰もいない。

何も聞こえない。


(こえ~よ~…)


「あまご、こっちおいで」

まだ生後4ヶ月のあまごを布団に入れると、頭から布団をかぶって寝ました。



翌朝。

近所のおじいさんにその話をしたら。


「おめーそりゃ鹿の鳴き声やさ」


だって!

youtu.be





それ以来、遊びに来た友人がビクッとするたびに


「ははは!あれは鹿の鳴き声っしょ!そんなことも知らんの?」


と、ドヤ顔をする僕なのでした。



玄関の向こうの話②


同じく、その集落での話です。

友人が泊まりに来ていたある日。


朝8時。

友人は朝の散歩をしようと寝巻のまま外に出ました。


すると、すぐに戻ってきて

「外におさるがいる…」


サル?


「サルなんてしょっちゅういるよ。あまごが追いかけて行っちゃうから玄関閉めて」


「そうじゃなくて、おさるだよ。「アニマル梯団」の!」


「え!なんで!」


「番組のロケだって」



なんでも、当時放送していた「田舎に泊まろう」という番組のロケだったそうです。

サルはしょっちゅう見ましたが、まさか「おさる」さんを見るとは思いませんでした。


僕の住んでいた家は、高山市が独身者向け(移住者向け)に用意した市営住宅でした。

でも番組的には「昔からそこに住んでいる人の、古〜い家に泊まる」というものだったみたいです。

まーその方が絵になりますもんね~。



玄関の向こうの話③


僕はこの集落で数年を過ごした後、もう少しだけ町に近い地域に移ることになります。

その理由として、山小屋で働く為に道の駅での仕事を辞めたこと。

そして、下山後には結婚を考えていたので、

小学校も幼稚園も無くなってしまった集落でやっていけるのか。

スーパーも働くところもない、人口もどんどん減っていて、

町から30kmも離れたこの山奥で。

そんなことを考え、新しい職場に近い地域に引っ越したのでした。

・・・

僕は、この集落を離れる時に、お世話になった人たちに挨拶周りをしました。

どの人もとても残念がってくれて、

あまごのことも「最後だからいっぱい撫でさせて」と言ってくれて、

お年寄りなんかは「また遊びにおいで」といっぱい涙を溜めて、送り出してくれました。


僕は、あの集落に何も恩返しが出来なかったなぁ。


今でも遊びに行けばたくさん話をするし、

親しかった人の仏壇にお線香もあげるし、


神社の前に腰かけていると、離れてしまったことを申し訳なく思ったりします。

この地域の秋祭りは独特で、昼間に獅子が町内を回り、

夜になると、集落の皆で神社の境内で酒盛りをします。


早く集落に馴染みたかった僕は、祭りのお囃子のメンバーに混ぜてもらって、

下手くそなりに太鼓の役目をもらったりして、酒盛りでもベロベロに酔っぱらいました。


きっと、あの集落の内の数人くらいは

「ずっと居ついてくれるもの」と思ってくれていたのではないだろうか。



本当にごめんなさい。

でもおれに出来ることは、これから先も協力していくからね。

言い訳みたいだけど、簡単に捨ててしまったわけではないんです。

結局、言い訳なんだけど。



玄関の向こうにはいつも新しいものが待っています。

新しいものに触れるのはとても大切なこと。

でも「それまで触れてきたもの」も大切にしていこうと思います。



おわり!

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